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経営者のためのコンサルティング > 経営に役立つヒント 第7回

経営者のためのビジネス講座

2016.02.16 平成27年度補正予算、
平成28年度予算における「省エネ補助金」

この文章は、株式会社名南パートナーズによるものです。

※この文章は平成28年1月28日現在の情報に基づいて作成しています。
具体的な対応については、貴社の顧問税理士などの専門家とご相談ください。

1.「省エネ補助金」とは

一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策や、TPP関連政策大綱の実現に向けた施策などを盛り込んだ平成27年度補正予算が平成28年1月20日に成立しました。また、平成28年度予算は今年度末までに成立する予定です。

これらの国家予算として毎年実施され、近年増額傾向にある「省エネ補助金」は、企業が省エネ対策や生産性向上へ向けた設備投資を行う際の効果的な自己負担額の軽減手段として注目されています。
「省エネ補助金」は、主に経済産業省や環境省、国土交通省を主管として行われており、対象となる設備投資に対して、一定の補助率で企業に補助金が支払われる制度です。
本コラムでは、平成27年度補正予算と平成28年度予算において公募が予定されている「省エネ補助金」の概要について解説します。ただし、その内容は現時点での見込みや予定であり、決定内容については、各省庁や一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)のホームページなどでご確認ください。

2.平成27年度補正予算
「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」

平成27年度補正予算において新たに実施され注目される省エネ補助金として、経済産業省の「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」があります。

この補助金は、「導入する設備ごとの省エネ効果などで簡易に申請が行える制度」として、「中小企業などが省エネ効果の高い設備へ更新することを重点的に支援」する事業です。
補助対象設備は、「長期エネルギー需給見通し」(平成27年7月)における省エネ量の根拠となった産業・業務用の設備を中心とし、具体的には、高効率空調、産業ヒートポンプ、低炭素工業炉、高性能ボイラ、高効率照明、業務用給湯器、工場エネルギー管理システム(FEMS)などが想定されます。既存の設備をこれらの補助対象設備に更新する場合が対象であり、新設の場合は対象となりません。なお、工場エネルギー管理システム(FEMS)については新設も対象となります。予算額は442億円、補助率は1/3となっています。
平成26年度補正予算では、約800億円の大型予算額がついた「最新モデル省エネルギー機器等導入支援事業(A類型)」が実施されました。当該補助金は、省エネ性能証明書をメーカー経由で取得することによって簡易に申請できる非常に使い勝手のよい制度でした。また、予算の範囲内で先着順による採択が行われたため、応募が殺到し、平成27年3月16日の公募開始から1カ月強という短期間で受付終了となってしまうほどの人気ぶりでした。しかしながら、申請対象とした設備によっては、性能証明書の発行の遅れによって申請が間に合わなかったという企業も多く、不公平だという不満の声も聞かれました。
その経験から、今回の平成27年度補正予算では、メーカーの省エネ性能証明書の提出ではなく、省エネ性能の新旧比較資料の提出とし、また、先着順ではなく、一定期間内の公募(複数回行われる可能性あり)を行い、審査を経て採択される予定です。

【中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業の概要(予定)】

公募時期 平成28年3月
公募・採択方法 一定期間公募し省エネ効果を評価
申請対象者 法人・個人事業主
補助対象設備 高効率空調・産業ヒートポンプ・低炭素工業炉・高性能ボイラ・高効率照明・業務用給湯器・工場エネルギー管理システム(FEMS)など
(トップランナー制度※1対象設備の場合はトップランナー基準以上の設備が補助対象)
補助対象範囲 設備費のみ(工事費などは対象外)
補助対象事業 既存の設備を補助対象設備に更新する事業
工場エネルギー管理システムについては新設も対象
予算額 442億円
補助率 1/3
  • (※1)トップランナー制度とは、1998年の改正省エネ法に基づき、国が定めた省エネの基準値をクリアし商品化されているものの中で、最も省エネ性能が優れている機器(トップランナー)を設定する制度。

3.平成28年度予算の主な「省エネ補助金」

平成28年度予算において実施される予定の主な省エネ補助金を2件ご紹介します。

no1平成28年度エネルギー使用合理化等事業者支援補助金

この補助金は、既設設備やシステムの入れ替え、製造プロセスの改善などに向けた改修、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入により、工場・事業場単位での省エネ・電力ピーク対策や事業者間の省エネ対策を支援する事業です。
補助対象設備は、省エネに寄与する設備であり、申請条件として、工場・事業場単位での省エネ率や電力ピーク削減効果が一定水準以上であることが求められます。既存の設備を更新する場合が対象であり、新設の場合は対象となりません。予算額は515億円、補助率は通常で1/3、エネマネ事業者※2を活用する場合で1/2の予定となっています。
また、この補助金は、工場・事業場単位での省エネ評価を行うため、更新対象設備以外も含めた工場・事業場全体でのエネルギー使用量などの算定が必要です。一方、前述の平成27 年度補正予算の「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」は、設備単位での省エネ評価とされており、簡易な申請が可能です。その点において両者は大きく異なります。

【エネルギー使用合理化等事業者支援補助金の概要(予定)】

公募時期 平成28年5~6月頃
公募・採択方法 一定期間公募し省エネ効果を評価
申請対象者 法人・個人事業主
補助対象設備 省エネに寄与する設備
補助対象範囲 設計費・設備費・工事費
補助対象事業 既存の設備を補助対象設備に更新する事業
予算額 515億円
補助率 通常:1/3、エネマネ事業者を活用する場合:1/2
  • (※2)省エネ・電力ピーク対策効果に寄与する設備やシステムなどにエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入し、エネルギー管理支援サービスを通じて工場・事業場単位の省エネを支援する者として「一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)」に登録された事業者のこと。

no2平成28年度ZEB※3実証事業(住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業)

この補助金は、ビルの省エネルギー化を推進し、ZEBを実現するため、トップレベルの省エネルギーを実現する先進的な取り組みに対し、その構成要素となる高性能建材や高性能設備機器などの導入を支援する事業です。
補助対象事業者は、建築主など(所有者)、ESCO(シェアード・セイビングス)事業者※4、リース事業者などであり、既築、新築、増築および改築の民生用の建築物(オフィスビル、病院・福祉施設、学校、デパート・スーパーマーケットなど)を対象として、ZEB実現に寄与する空調、換気、照明、給湯、BEMS装置などで構成するシステム・機器の導入に対する補助が行われます。
予算額は110億円、補助率は2/3を予定しています。

【ZEB実証事業(住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業)の概要(予定)】

公募時期 不明
公募・採択方法 一定期間公募し、エネルギー削減率、ZEBの省エネ技術などを評価して採択
申請対象者 建築主など(所有者)・ESCO(シェアード・セイビングス)事業者・リース事業者など
補助対象建築物 既築、新築、増築及び改築の民生用の建築物
補助対象設備 補助対象建築物に導入しZEB実現に寄与する設備
補助対象範囲 設備費・工事費
補助対象事業 ZEB実現に資するシステム・機器を対象建築物に導入する事業
予算額 110億円
補助率 2/3
  • (※3)ZEBとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称で、年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなる建築物。
  • (※4)ESCO事業者と顧客とが締結する契約には、顧客が事業資金を調達するギャランティード・セイビングス契約とESCO事業者が事業資金を調達するシェアード・セイビングス契約の2種類の形態があり、この場合はシェアード・セイビングス契約が対象。

以上、今年公募が予定されている平成27年度補正予算、平成28年度予算における「省エネ補助金」についてご紹介いたしました。優遇税制の活用や、設備導入時にリース取引を活用することにより、そのメリットはさらに大きくなる可能性があります。ただし、これらの補助金を上手に活用するには、公募時期や補助事業の実施期間に合わせた計画的な取り組みが必要です。タイミングを逃さないように情報収集を行い、必要に応じて専門家を有効活用することをおすすめいたします。

【株式会社名南パートナーズ】

名南コンサルティングネットワークグループの一社として、幅広い顧客層にさまざまな経営コンサルティングなどを実践している。

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