ホーム > 時代が求める企業テーマ
> WEBセミナー 環境と経営~企業に関わる環境問題へ~ 第3回

WEBセミナー 環境と経営~企業に関わる環境問題へ~ 時代が求める企業テーマ

今回は企業経営者のみなさまに向けて、オリックス株式会社広域事業部とオリックス環境株式会社で「環境と経営」をテーマに動画セミナーを企画しました。環境について、これだけはおさえて欲しい、という部分を、オリックス環境株式会社執行役員の三岡が動画で説明しています。

「気になっているけど何もしていない。まず何をしなければいけないか教えて欲しい」というお客さまから「この景気だからこそ、環境問題をビジネスチャンスにしたい」というお客さままで、私たちオリックスグループにさまざまな声が寄せられていますが、企業としてどう環境に向き合っていくべきか、少しでもご参考にしていただければ幸いです。

オリックス環境株式会社 執行役員EMS推進部長環境プランナーER 三岡美樹

2009.4.27低炭素社会における経営

環境と経営の第3回目の今回は、もっとも今日的なテーマである「低炭素社会における経営」をとりあげます。

現在の気候変動がどうなっているのか、教えて
いただけませんでしょうか?

世界の気温は上昇傾向にあり、過去100年で0.7度、今世紀末にはさらに1.8℃~4.0℃上昇すると予測されています(図1)。その要因の多くは、私たちの経済活動の拡大によるCO2などの温室効果ガスの増加です。

温暖化等の気候変動を抑制するため、1992年に「気候変動枠組条約」が採択され、「京都議定書」において2008年から2012年までの間に、先進国全体で温室効果ガスの排出を1990年度比5.2%、日本はマイナス6%削減することを約束しました(図2)。

日本においても、2005年の京都議定書の発効を受け、温暖化対策推進法を改正・整備、「京都議定書目標達成計画」を策定し、国民全体での取組みも進めるために「チームマイナス6%」を立ち上げるなど、さまざまな対策を進めてきました。しかし、2007年度のCO2排出量は13億7,100万トンと京都議定書の基準年である1990年と比べ、逆に8.7%増加しています。つまり、目標達成には、15%近く削減しなければならない状況です(図3)。

部門別にみると、かねてより省エネを進めていた工場などの「産業部門」は基準年である1990年より減少していますが、その他の部門はいずれも増加しており、特に業務・家庭などの「民生部門」においては40%増となっています(図4)。そこで、これらに対する対応強化が図られるようになりました。
数の多い事務所や家庭を対象に削減対策を進めるのは容易なことではありませんが、1カ所だけでは小さい削減量にすぎなくても、全体をあわせれば「マイナス6%」に大きく貢献することから、オフィスビルなどを対象とした対策強化や、「CO2の見える化」などの取組みが進められています。

図1 気候変動は確実に進行
図1 気候変動は確実に進行
図2 京都議定書で、日本は6%の削減を求められています
図2 京都議定書で、日本は6%の削減を求められています
図3 芳しくない日本のCO2削減状況
図3 芳しくない日本のCO2削減状況
図4 民生(業務・家庭)部門での対策が必要
図4 民生(業務・家庭)部門での対策が必要

温暖化対応の枠組を教えていただけますか?

業務部門への対応を強化するため、地球温暖化対策推進法、いわゆる温対法および省エネルギー法、いわゆる省エネ法の改正がなされ、本年から対応が必要となります。
ここで、温対法と省エネ法の関係について簡単に説明します。
温暖化対策推進のための法政策の中心が温対法です。ここでは、京都議定書の目標を達成するため計画策定や温室効果ガスの「算定・報告・公表」制度などが規定されていますが、算定の対象となる6ガスのうち、エネルギー起源のCO2については、「省エネ法」によるエネルギー量の調査を活用しています(図5)。
事業活動に伴うCO2の多くは、エネルギーの利用によるものですので、省エネ法を例に改正のポイントをご説明しましょう。

今回の省エネ法改正は、大幅にエネルギー消費量が増加している業務部門のうち、オフィス・コンビニエンスストアや住宅・建築物にかかる省エネルギー対策の強化を目的としています。現在は、エネルギー使用量の多い工場・事業場など大規模施設に対して、管理者の選任、計画策定・報告が義務付けられていますが、今後は、事業者単位でエネルギー使用量を合算し、一定規模以上となる場合には、役員クラスの「エネルギー管理統括者」の選任や、計画策定・報告が必要となります。

また、コンビニエンスストアなどの、フランチャイズチェーンについても一事業者として捉え、事業者単位と同様の規制が導入されます。今まで「うちの会社には大きな工場やオフィスビルはないから省エネ法は関係ない」と思われていた方も、対象となる可能性が出てきます。

図5 温暖化対応の枠組

図6 省エネ法の改正ポイント:事業所単位から事業者単位の管理へ

省エネ法が適用される事業者の目安や注意すべき事項を
教えていただけませんか?

省エネ法が適用される「特定事業者」としての対応が必要な目安は、図7のとおりです。
また、各地に事務所や店舗をビルのテナントとして開設している場合、従来は原則としてオーナー側のみが把握・報告を行っていましたが、テナントの協力も大切なことから、オーナー・テナント双方からの状況報告が求められることとなりました。
このため、場合によってはテナントもテナント専用部のエネルギー使用をオーナーと協力して把握し、合算対象とすることが求められます。

図7 省エネ法が適用される事業者の目安

自治体ではどのような動きがあるのでしょうか?

温暖化対応に積極的に取り組む東京都は、世界で初のオフィスビルを対象とした排出量削減義務をスタートさせます。エネルギー使用の多い事業所を指定し排出量の報告を求め、継続的にエネルギー使用が多い場合には「特定地球温暖化対策事業所」として総量削減をしなければなりません。万が一削減できない場合には、排出量取引などによって義務を履行します。この義務は原則所有者が負い、最終的に未達の場合は罰金等の対象となります。

また、省エネ法と同様に、事業者に対し、都内の事業所のエネルギー使用量の合計が一定量以上の場合に、報告義務を課します。ただし、ごく小さい事業所は対象外となる予定です。

図8 自治体での動き:東京都環境確保条例

企業として今すべきことは何でしょうか?

改正省エネ法への対応としては、まず2009年4月からエネルギー使用量の把握・記録をスタートさせ、2010年3月までの使用量が原油換算1,500kl以上であれば、「エネルギー管理状況報告書」を提出します。また、東京都条例の削減期間は2010年からですが、2009年においては自社の状況を把握しておく、ということが必要です。

参考:経済産業省資源エネルギー庁「省エネ法が変わります」

図9 状況把握は今年からスタート!

具体的にCO2の排出量を削減するにはどうしたらいいでしょうか?

CO2の排出量を削減するには、まず第一にエネルギー使用の無駄を省き、効率的な運営を行うことが大切です。
省エネ機器の導入なども効果的ですが、オフィスなどにおいては、無駄な電気を消したり、空調の設定を調整するなどの地道な活動も必要です。
次に、CO2の排出が少ないエネルギーに転換していくことが考えられます。ボイラーをバイオ燃料に変えたり、風力や太陽光などのグリーンエネルギーの活用も大切です。
さらに、削減しきれない部分は、排出量取引やカーボンオフセットなどにより他者が削減した分を活用する、ということも考えられます。

いずれにしても、自社のどこでどのくらいエネルギーを利用し、CO2を排出しているかを把握することが、対策の第一歩といえるでしょう。

このような対応を企業が取り始めると、環境機器の導入や設備投資、グリーンエネルギーへのニーズなど新たなマーケットが生まれます。また、政策的にもいわゆる「グリーンニューディール」として、今後、太陽光や風力など再生可能エネルギーの拡大、バイオ燃料の開発、ハイブリッド車の普及などが進められていきます。これらの動きを事業機会と捉え、今後の企業経営に活用する姿勢が大切です。

図10 低炭素社会へ向けての対応策

環境対策や情報保守は企業の姿勢が問われる重要課題!

コラムや事例紹介など豊富な情報をご提供!
環境対策

ページの上部へ
総合受付はこちら
メールニュースお申し込み