尾﨑輝郎公認会計士事務所 所長 尾崎輝郎
尾崎輝郎公認会計士事務所
所長 尾崎輝郎
税理士法人 秋山・田中 公認会計士・税理士 田中恒行様
税理士法人 秋山・田中
公認会計士・税理士 田中恒行様
尾崎

6つの基本的重要とは-4.情報と伝達4番目に情報と伝達ですが、いろいろな情報が組織内外、および関係者間相互に適時・適切に識別され、把握され、処理され、なおかつ伝達されていると。ということは先ほど言いました、たとえば経営者の経営方針等については、正しく従業員に伝達されているとか、あるいはいろいろな問題点はすべて識別され、上に報告されるようなシステムがあるかと、こういったことをこの上では言っています。

田中様

なるほど。これはいかなる統制活動なりなんなり、しっかりしたものがあったとしても、コミュニケーションができていなければ意味が無いと、そういうことですね。

尾崎

そうですね。情報、英語ではコミュニケーションとインフォメーションと「COSO」の上では言っていますが、まさに正しくそれが情報として伝わっているかどうかだと思いますね。

田中様

はい。

尾崎

6つの基本的重要とは-5.モニタリング5番目のモニタリングというのは、これらの内部統制が有効に機能しているかどうかを継続的に評価するプロセスですが、通常、日常的なモニタリングとして、ここに書いてありますように照合とか棚卸といったもの、あるいは独立的評価として内部監査、監査役監査があります。つまり今まで述べたようなものが正しく行われているかどうかをモニターするシステムが、このモニタリングですね。

田中様

なるほど。言いかえればダブルチェックをしていかなければならないということでしょうか。

尾崎

そうですね。第三者がもう1回チェックするシステムです。内部監査に関しては、日本ではまだまだ十分ではなさそうなところがありますが、いずれにしてもこのモニタリングというものは、非常に重要なステップであろうと思います。

田中様

なるほど。アメリカなどの先進諸国といいますか、欧米の企業では、内部監査の重要性は日本に比べて非常に強く理解されているそうですね。

尾崎

そうですね。日本はどちらかというと性善説みたいなものがあって、なかなか内部監査が十分ではないといわれてきましたけれども、昨今、徐々に充実してきているかなと思いますね。

田中様

はい。

尾崎

6つの基本的重要とは-6.ITへの対応それから最後のITへの対応ですけれども、これはITを利用しないプロセスは存在しないと言ってもいいくらい、どの企業も今はITを活用されていると思います。したがって、そのIT環境はどういうものか、あるいはITをどのように利用し、またコントロールされているかというステップがこの6番目のITへの対応です。

田中様

これは特別な何らかのコンピューターシステムが会社に導入されているか否かにかかわらず、現在では、そもそもコミュニケーションがEメールとか、あるいはそのEメールの中で、いろいろな承認が行われているとか、ちょっとした計算をエクセルなどで行う、ということも含めて、常に企業の活動がITと密接にかかわっているために、これが含められているということですかね。

尾崎

そうですね。大きなシステムでは、通常内部統制システムそのものもITシステムに組み込まれているケースが多いですが、それだけではなくて、今おっしゃったような情報システムから得た情報をどのように加工しているかを見た上で、それらの加工された情報が正しくコントロールされていることを見ていく必要があると思いますね。

田中様

なるほど。今ご説明いただいたのが、内部統制を構成する6つの要素であると。先ほどの4つの目的を達成するために、企業の経営者はこの6つの要素が適切に整備されているか、あるいは会社の業務の運営上、この6つの要素の中に問題はないかと、そういったことをチェックしていくのが内部統制の整備ということになるのでしょうか。

尾崎

そうですね。内部統制を構築し、正しく運用されていることが非常に重要ですね。

田中様

なるほど。この6つの要素がひとつ欠けても内部統制に不備があることになってしまうわけで、4つの目的を達成するために、常にこの6つの要素を意識して会社の経営を行っていく必要があると。

尾崎

そうですね。その際にいろいろな意味でドキュメントというのをしておかないといけないと昨今言われています。やりすぎはどうかと思いますが、しかし最低限の記述書とか、俗に3点セットといわれていますが、フローチャートとか、あるいはリスクとコントロールのマトリックスを書いたものを残しておく必要があると思います。

田中様

なるほど。つまり会社の整備した内部統制というものが、事前に文書にまとめられて、それを参照しながら従業員の方々も含め、その会社の業務を行っていく必要があるということですね。

尾崎

そうですね。その通りですね。

田中様

金融商品取引法における内部統制の基本的枠組みこの内部統制、4つの目的が、この6つの要素を設定していくことによって達成されるというと、内部統制さえあれば会社の経営が適切に行く、業務の効率性、有効性が非常に改善するといったイメージにとらえてしまいがちですが、内部統制になにか欠点というものもあるのでしょうか。

尾崎

内部統制の限界ありますね。ちょっとスライドを見ていただきたいのですが、内部統制の限界というものもございます。ここに4つありますように、判断の誤り、不注意、複数による共謀と、まず第一番にこれがありますが、こういったことがあるとすれば、いかに内部統制システムが整備されていたとしても、その限界として問題が起きる可能性はありますね。

田中様

なるほど。会社の業務を適切に文書化し、設計してあっても、たとえば複数の方が共謀して、恣意的に問題を起こすであるとか、そういったことは内部統制では防止されないと。

尾崎

防止しにくいですね。

田中様

一定の限界はあるということですね。

尾崎

そうですね。それから予定外、想定外の環境の変化とか、あるいは非定型的な取り引きといいますか、例外的な取り引きがあった場合に、いかに文書化され運用されていても、内部統制としては限界があることもあります。

田中様

なるほど。

尾崎

それから費用と効果の比較ですが、内部統制システムを構築するには、先ほど申し上げましたように、内部監査が必要になってくるだろうし、そこそこ費用もかかることがあります。そういう意味からすると、どれだけ企業が耐えられるだけの費用を使うことができるのかということで、その比較によっては十分な内部統制システムが構築されないこともありうるだろうと思います。

田中様

はい。

尾崎

最後の経営者による無視、無効ならしめる行為と、これが最も難しくて、対応困難なところですが、いかに整備されたとしても、一番最初に申し上げましたように、経営トップの誠実性というものがなく内部統制システムが構築されていても、それを無視されるような行為があるとすれば、この内部統制は全然有効に効かないとなりますね。

田中様

内部統制はもともと経営者が整備運営するものですから、経営者がそれを無視したのでは何の意味もないということですかね。

尾崎

そうですね。倫理観の高い経営者を選ぶとか、あるいは行動規範たりうる企業理論の確立することが会社としては非常に重要ではないかと思います。この観点でいくと、昨今の内部通報システムというものも重要視されているのは、こういった経営者の行為に対して、こういうシステムが整備されてきたのも頷けるかなと思います。

田中様

なるほど。