(左)尾崎輝郎公認会計士事務所 所長 尾崎輝郎
(右)税理士法人 秋山・田中 公認会計士・税理士 田中恒行様
(左)尾崎輝郎公認会計士事務所 所長 尾崎輝郎
(右)税理士法人 秋山・田中 公認会計士・税理士 田中恒行様
田中様

内部統制の整備が法律で定められたということですが、具体的にはどのような法律でどのようなことが規定されているのでしょうか。

尾崎

内部統制システムスライドをご覧ください。ひとつは2006年5月に施行された会社法です。これは取締役会設置会社の大会社が対象で、内部統制システムの構築の基本方針を決めなくてはなりません。これは取締役会の先決事項であって、事業報告書にもこれを開示しなくてはならないということになりました。業務の適正性を確保する体制をつくれということです。企業の監査役の監査を受けることになります。

田中様

非常に広範な意味で内部統制の整備が義務づけられているということですね。

尾崎

そうですね。先ほど言った「COSO」の全体をカバーするような考え方であろうと思いますし、ここでその適正性が十分でない場合には、監査役はそれについて監査報告書で述べなくてはならないという義務があります。

田中様

なるほど。そもそも会社法では、経営者の責任として内部統制についてなんらか検討していなければならないと。そうでなければ、法律を犯したことになってしまうということですか。

尾崎

内部統制システムそういうことです。それからもうひとつは金融商品取引法が2007年9月30日に施行されました。これは有価証券報告書を提出する会社が対象になりますが、先ほど言いました「COSO」の中で財務報告の信頼性がメインになります。

田中様

内部統制システムつまりその4つの目的の中で財務報告の信頼性という目的を達成するために、確実に内部統制を整備しなさいよ、ということですか。

尾崎

そうですね。これはアメリカのSOX法にあって、J-SOXとも呼ばれているのですけれども、2009年3月期から適用となります。したがって、経営者による内部統制報告書の作成が義務づけられ、なおかつ会計監査人の監査を受けなくてはならないことになりました。

田中様

なるほど。それでは会社法に規定されている内部統制の整備の義務よりもさらに一歩踏み込んだ内容が、金融商品取引法には記載されていると。

尾崎

そうですね。これは結構な作業になるものと思われますし、もうすでに企業によっては対応しつつあると思います。

田中様

世の中でJ-SOXと呼ばれている、いわゆる内部統制の整備が大変だというのは、この金融商品取引法に対応することが非常に大変だというわけですね。

尾崎

そうですね。会計監査人の監査を受けますが、ここでも何か不備があるとすれば、それも会計監査人の監査報告書で述べられることになり、米国では若干ですけれども、株価にも影響したり、格付けにも影響するということもいわれておりました。

田中様

なるほど。実際的な問題、不具合が生じてきてしまうということですね。

尾崎

そうですね。アメリカでは公開している会社の約15%に重大な欠陥があったと報告されていて、それによって、CFOの50%以上が交代になったという情報もあります。

田中様

なるほど。大変な問題なんですね。ところで有価証券報告書の提出会社が対象だというお話が先ほどありましたが、ということは現在上場の準備をしている会社にとっても非常に重要なポイントになるのでしょうか。

尾崎

そうですね。これは先ほど言いましたように、2007年9月30日に施行され、2009年3月期からですから、今から上場する会社はただちにこれが適用になるわけです。

田中様

なるほど。つまり内部統制が整備されていなければ、上場ができなくなってしまうこともあるということですね。

尾崎

ええ。最近東京証券取引所も大阪証券取引所も上場前からこの整備を要求しています。

田中様

なるほど。つまり将来上場したい、あるいは上場の準備にとりかかっている会社にとっては、緊急にこれに対応する、なんらかの作業を始めなくてはならないということでしょうか。

尾崎

その通りですね。