取組みがすすむグリーンIT

エネルギー消費効率の高い機器への更新が求められています!!

情報技術(IT)の利用拡大にともない、コンピュータやネットワーク機器からの消費電力の増大が、地球温暖化の観点から大きな課題となっています。一方で、ITは、さまざまな産業活動などを効率化させ、社会全体の環境負荷低減を促す役割も担っています。高度なIT機器の活用と環境保護を両立させ、持続可能で豊かな社会をいかに実現させていくか、これがいま世界的にも取組みが進められている「グリーンIT」のテーマです。

グリーンITとは、地球環境に配慮したIT製品やIT基盤のこと、あるいは環境保護や資源の有効活用につながるIT利用のことをさします。一般的にはIT機器の省電力化やリサイクル性向上などの「ITそのものの環境負荷低減」をさしますが、ITを利用して生産や物流を最適化するといった「IT活用による環境負荷低減」という意味を含む場合もあります。グリーンITは、IT製品に含まれる有害な化学物質の管理や廃棄されるIT機器のリサイクルなどはもちろんのこと、温暖化防止への配慮も含めた環境保護全般をカバーする範囲の広い概念といえます。

ITの代表的な製品であるパソコンについては、すでに多くのメーカーが、環境配慮設計のためのガイドラインを準備済みです。ガイドラインには、欧州のRoHS規制(指定有害化学物質の使用を原則禁止する規制)の対象化学物質を原則使用しないこと、再生プラスチックを最低1個は採用することなどが規定されており、有害化学物質の含有量削減やリサイクルの推進といった面では、多くの企業においてグリーンIT対応が進んでいると言っても過言ではありません。

一方で、温暖化対策については、IT関連電力消費の急激な増加傾向が問題視されており、増大する電力需要の抑制が重要になってきています。国内のIT機器による消費電力量は、2025年には現在の5倍に達するという推計もあります(グラフ1)。世界全体では、新興国の発展などによりIT機器の利用が急増しており、世界のIT機器による消費電力量は2025年には現在の9倍以上に増加し、総発電量の15%を占めると試算されています。このままだと社会を便利にするITが地球温暖化の重大な加害者となってしまうことが懸念されています。このような背景から、グリーンITの多くの要素のうち、温暖化問題への対策が急激に注目を浴びるようになってきました。

温暖化対策の観点からみて、ITにはプラスとマイナスの両側面があります。前述の通り、マイナス効果は、IT機器などの利用による電力消費の増大です。電力消費が増大すれば、その分CO2の排出が増加してしまいます。一方、ITは、たとえばITSの導入により渋滞を緩和し、自動車などからの排出CO2を削減することができます。または、テレワークシステムを導入することで、それまで通勤で利用していた自家用車の運転が不要になり、結果としてCO2の排出を削減することができます。このように、ITを導入することで、ライフスタイルやワークスタイルを低炭素型に転換していくことが可能であり、これがITのプラス効果といえます。

2008年12月12日、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく、事業者への排出抑制等指針(*)が公布されました。本指針のうち、温室効果ガスの排出抑制に関する体制の整備、職員に対する重要性の周知徹底、排出量などの把握、設備の選択および使用についての措置などは、すべての事業者にかかる努力義務となっています。事務用機器については、温室効果ガスの排出の抑制などに係る措置として、エネルギー消費効率の高い機器への更新が求められています。

(*) 排出抑制等指針の正式名称:(地球温暖化対策の推進に関する法律第21条に基づく)
「事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制等及び日常生活における温室効果ガスの排出抑制への寄与に係る事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10543

環境に配慮した経営は企業の社会的責任に関わる重要テーマといえますし、IT機器の消費電力抑制は、システムの運用コストを削減できるという利点をもたらします。「情報基盤強化税制」にて一定の条件を満たせば、取得金額の7%相当額を当期の法人税から控除できる制度もあることから、省エネ効率を考慮した機器への入替を通じて環境配慮を進めてみてはいかがでしょうか?

【グラフ1】<ご参考 日本国内の消費電力量の推計>
出所:第1回 グリーンITイニシアティブ会議資料(経済産業省作成)