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経営者のための税務・会計解説

2010.5.18退職所得は国からの“贈り物”

この文章・図表は、染宮教育総研株式会社によるものです。

はじめに

退職所得は「国からの贈り物」。こういうと「えっ、それって会社からもらうものじゃないの!?」と、驚かれる方が必ずいらっしゃいます。なるほど、ごもっとも。確かに、民間企業の場合、退職金を支払うのはその方が勤めていた会社。公務員でもない限り、国から退職金をもらえるはずがありません。
では、国からの贈り物とは、公務員の場合を指しているのでしょうか?いいえ、違います。と言うのも、「退職金」ではなく、あくまでも「退職所得」の話ですから……。
所得税を計算するときに、所得を10種類に分けて計算します。そのうち、毎月もらう給料・賞与は「給与所得」といい、退職金は「退職所得」といいます。

退職金にも税金はかかるけど

さて、「所得」と聞いて、ピンと来た方もいらっしゃることでしょう。退職金にももちろん税金はかかります。退職金を受け取った場合、それは退職所得として、所得税と住民税の課税を受けるのです。

何十年も頑張って働いて、ずっと税金を払ってきた。なのに、ようやくもらった退職金からも、たくさん税金を支払うなんて……。

こう不安に思われた方は、どうぞご安心ください。これまで毎年払ってきた給与所得と比べ、退職所得にかかる税金はずっと優遇されています。長年の勤務に対する慰労と退職後の新たな生活に対する保障。この2つの意味合いから、国は退職所得について課税上の配慮をしているからです。

こんなに違う手取額

給与は、毎月(毎年)支払われるものであり、退職金は会社を退職する時、一度だけ支払われます。
従って、支給対象になる期間も異なり、また金額も大きく異なります。
しかし、ここでは「給与所得」と「退職所得」の税金の計算方法の違いをわかりやすく説明するために、「給与の額」と「退職金の額」を同額として計算してみることとします。
具体例をあげてみましょう。6,000万円の給与が支払われた場合と、同額の退職金が支払われた場合を比較してみます。詳しい説明は後回しにして、退職所得の驚くべき有利性をご覧ください。
まずは給与。図1をご覧ください。給与所得控除が470万円として、他の所得が無いものと考え計算してみると、所得税・住民税の合計は2,485万円。よって手取額は3,515万円となります。一生懸命稼いだ給与のうち、約41%を税金で支払う計算です。

図1 給与所得にかかる税金と手取額のイメージ

次に退職金。これは図2をご覧ください。仮に勤続年数を30年として考え計算してみると、所得税・住民税の合計は845万円。よって手取額は5,155万円となり、約14%の税金を払うだけで済む計算になります。

図2 退職所得にかかる税金と手取額のイメージ

縦軸に税率、横軸に給与額または退職金額をとった図1図2のイメージは、どちらも長方形全体で6,000万円。そのうちので塗りつぶした部分を手取額として表しているのですが、パッと見でもずいぶん、差があるのがわかりますね。

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