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経営者のための税務・会計解説

2010.7.13贈与の"手取率表"ってご存知ですか?

この文章・図表は、染宮教育総研株式会社によるものです。

贈与税は高いって本当?

―贈与税は高い!
よくそんな声を耳にします。「日本一高い税金だ!」と思っている方も多いかもしれません。

確かに基礎控除額や税率の累進率を見ると、贈与税は相続税より不利に見えます。(表1,2参照
それもそのはず。本来、贈与税というのは、相続税の「補完税」なのです。
贈与で多くの財産を移動することにより、相続税を逃れるのを防ぐことを目的としています。もし、相続税より贈与税が安いとすれば、贈与税の意味がありません。誰も相続を待たず、生前に財産を贈与してしまうでしょう。それ故、贈与税は必然的に高率にならざるを得ないのです。そのため、一般的には
「贈与税は高いから、相続税の方が有利である」
このようなことが言われるほど、贈与税は高いというイメージが定着しているのです。

表1 贈与税の速算表表2 相続税の速算表

しかしながら、実際には、必ずしもそうとばかりはいえません。
ほんの少し見方を変えるだけで、意外な事実が見えてきます。相続税と贈与税の基礎控除の計算式を比較してみましょう。

相続税と贈与税の基礎控除の計算式

なるほど、一見すると非常に大きな差があるように思われます。一人あたり年110万円しか基礎控除がない贈与税に対し、相続税では法定相続人が一人だったとしても、6,000万円もの控除が認められます。贈与税は基礎控除が少ないといわれるゆえんです。
しかし、贈与税には、次のふたつの大きなメリットがあるのです。まず、相続税の基礎控除は一生に一回しか使えませんが、贈与税は毎年認められるということ。次に、贈与税は贈与を受けた受贈者ごとに毎年一人について110万円の基礎控除が認められるということです。

一人あたり年110万円に過ぎない贈与税の基礎控除ですが、10年で1,100万円、30年では3,300万円になります。まだまだ相続税の6,000万円には遠く及びませんが、二人だったらどうなるでしょう?
相続税は、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」で計算されますから、法定相続人が一人増えても基礎控除は1,000万円しか増えません。ところが贈与税では、年間一人110万円に過ぎない基礎控除でも、30年続けて二人で受ければ6,600万円。相続税の7,000万円に近づき、三人に贈与すれば相続税の8,000万円を抜く9,900万円の基礎控除が受けられることになります。
つまり、財産の贈与を受ける人数が多ければ多いほど、贈与税の分散効果は大きくなるわけです。そのうえ贈与は法定相続人を基準とする相続と違い、誰にでも自由にあげられます。もちろん贈与税の基礎控除を受けたからといって、相続税の基礎控除が受けられなくなる、などということはありません。
単純なイメージだけで判断するのではなく、まずは中身をしっかり理解する。そして賢い使い方を考えることが大切なのです。

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