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経営者のための税務・会計解説

2010.8.10その対策は大丈夫ですか?間違いだらけの相続対策-「安心」「簡単」「長続き」の相続対策とは-

この文章・図表は、染宮教育総研株式会社によるものです。

相続対策の基本原則

相続税の計算式をご存知でしょうか?―もちろん、法定相続人ごとの正確な課税価格を算出するという厳密な計算式を言っているのではありません。相続税の「課税価格」は、どのような原則に従って決められるのか、ということです。その算式はとても簡単。

資産 - 負債 = 課税価格

すなわち、「資産」から「負債」を引いた「課税価格」の数字が上がれば相続税は増え、数字が下がれば相続税は減ります。
たとえば、現金預金を増やし借入金を減らせば、課税価格の数字は大きくなり、相続税は増えます。

図1

一方、現金預金を減らし借入金を増やせば、課税価格の数字は小さくなり、当然相続税は減少します。

図2

本来なら、資産は増やすべきもので負債は減らすべきもの。誰もが図1の状態を望ましいと思うはずなのですが、そうすると課税価格が大きくなり、税の負担が重くなってしまうので「これは困った。どうしよう?」となるのです。

かといって、いくら何でも図2のような対策を講じるわけにはいきません。1億円の借金をして、豪遊三昧。見事それを使い切ってしまえば、確かに相続税は劇的に下がるでしょうが、その後どんなことになるかは火を見るよりも明らかです。

そこで、資産の種類を変えることによって、税法上の評価額を少なくする「下げる対策」が講じられてきました。

図3

そもそも相続税の資産の評価方法には、資産の種類に応じた多数の規定があります。それらの規定に則った「税法上の評価額」と「現実の資産価値」との間には、相応の差異が生じてくる場合があります。この差異を利用するのが「下げる対策」なのです。

最もポピュラーで良く知られているのは、土地を活用する方法です。
具体的には更地で土地を所有している場合、それを貸し付けたり、マンションを建てて賃貸したりします。場所によって効果は異なりますが、更地より税法上の評価額が下がることは確かです。不動産収入などのキャッシュフローも見込めるでしょう。

ただ、土地を貸し付ければ自由に売却できなくなりますし、マンションを建てて貸すためには建物を建てる資金が必要です。十分なキャッシュフローが見込めるかどうかについても考慮しなければなりません。
相続税は下がったもののマンションなどの収支が赤字になり、納税資金に困ってしまっては元も子もありません。土地の有効活用はあくまで慎重に、計画的に行うことが大切です。

また、相続対策には、資産を移転することによって、結果的に保有資産を減らす「移す対策」があります。

図4

最もポピュラーなのは「生前贈与」を使う方法です。生前贈与には「暦年贈与」、「相続時精算課税制度」の2つがありますが、誰でも簡単に行えるのが「暦年贈与」を活用する方法でしょう。

ともあれ、「資産」から「負債」を引いた「課税価格」の数字によって相続税の多い少ないが決まる以上、「負担の減少」を目指す相続対策としては、資産の評価額を「下げる対策」または資産を「移す対策」。このふたつしかあり得ません。

もちろん、保有する資産の額や資産内容、法定相続人の数などによって相続対策の内容は変化しますが、「負担の減少」ならばそのふたつだけともいえます。
ただし、時間をかけて、下げてから移す対策を講じることも十分可能です。

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