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経営者のための税務・会計解説

税務・会計アラカルト ~知っておきたいニュースを解説

2012.1.24法人税率の引き下げ案が決定! 平成24年度税制改正の内容は?

この文章は、東京 朝日税理士法人によるものです。

1.小幅な改正にとどまった今回の税制改正

平成23年12月10日に平成24年度税制改正大綱が発表されました。
今回の税制改正は、東日本大震災、歴史的水準の円高により事業環境が悪化している中、特に緊急性を要する項目に重点を絞った改正になっています。相続税の課税ベースの見直しなどの抜本改革については先送りされ、消費税増税の議論とともに社会保障と税の一体改革の中で検討されることになりました。
今回は、平成23年11月30日に成立した修正平成23年度税制改正法(※1)と復興財源確保法(※2)の内容を確認した上で、平成24年度税制改正の概要を確認していきます。

  • (※1)正式な法律名は、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案中修正」
  • (※2)正式な法律名は、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」

2.修正平成23年度税制改正法と復興財源確保法

平成23年11月30日、継続審議となっていた平成23年度税制改正法案のうち法人課税と国税通則法に関する部分と、東日本大震災の復興財源を賄うための復興財源確保法が成立しています。

法人税関係の税制改正の概要

法人税については、税率の引き下げ及び課税ベースの拡大が行われました。具体的な内容は、下図の通りです。 なお、施行日は平成24年4月1日となります。

法人税関係の税制改正の概要

  • (※1)中小法人の所得金額のうち年800万円以下の部分については、22%(平成21年4月1日から平成24年3月31日以前に開始する事業年度については18%)から19%(平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度については15%)への引き下げ。
  • (※2)平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用。

更正の請求期間の延長等

更正の請求とは、申告書を提出した後で実際より多く申告していたことに気付いたときに、申告税額などの減額を求めることです。
納税者が更正の請求をできる期間が1年から5年に延長されました(※3、5)。これに伴い、課税庁が増額更正ができる期間も3年(法人税は5年)から5年に延長されました(※4、5)。
この改正は、納税者の還付の実務と税務調査の対応に大きな影響を与えることになりますので注意が必要です。

更正の請求期間の延長等

  • (※3)贈与税及び移転価格税制に係る法人税に係る更正の請求期間(現行1年)については6年に、法人税の純損失等の金額に係る更正の請求期間(現行1年)については9年に、それぞれ延長されました。
  • (※4)偽り・不正の行為により税額を免れるなど脱税の場合に税務署長が行う増額更正の期間は、現行のとおり7年です。
  • (※5)平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。
    (法人税純損失等の「9年」については、平成24年3月31日までは「7年」となります。)

復興財源確保法を反映した法人税等の実効税率

法人税率が引き下げられることで、法人税等の実効税率は40.69%から35.64%へと引き下げられます。ただし、3年間(※6)の時限措置で復旧・復興財源として法人付加税が10%課税されることになり、この期間の法人税等の実効税率は38.01%となります。

  • (※6)平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度

復興財源確保法を反映した法人税等の実効税率

3.平成24年度税制改正大綱の概要

小幅な改正に留まった平成24年度税制改正大綱ですが、その中で主に法人に関係する改正項目について確認していきます。

中小企業投資促進税制

中小企業者等(※1)が一定の設備投資やIT投資等を行った場合に、税額控除(7%)又は特別償却(30%)の選択適用を認める措置が拡充されます。対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、デジタル複合機の範囲の見直しが行われます。さらに、適用期限が平成26年3月31日まで2年間延長されます(所得税も同様)。

  • (※1)中小企業者等とは、つぎのような法人・個人・組合等が該当します。

中小企業者等

中小企業投資促進税制の対象(出典)中小企業庁

再生可能エネルギーの普及・拡大のための税制措置

太陽光発電設備などの再生可能エネルギー発電設備の早期導入を促進するため、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に一定の再生可能エネルギー発電設備の取得等をして事業の用に供した場合には、普通償却限度額との合計で取得価額まで特別償却できることになります。
ただし、適用対象資産については太陽光発電設備などのうち、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(※2)」の認定設備で一定規模以上のものに限られます。
また、固定資産税についても、課税標準を最初の3年間は価格の3分の2とする措置が2年間講じられます。

環境関連投資促進税制の特別償却限度額

  • (※2)電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法
    太陽光などを用いて発電された電気を、一定の期間、一定の価格で電気事業者が買い取ることを義務付ける法律で、平成24年7月1日からスタートします。特に施行後3年間は買取価格の決定に当たり、供給者の利潤に特に配慮されることになっています。

初年度即時償却(取得価額の全額・100%)を可能とするとともに、固定資産税の軽減を措置します

その他の主な改正項目

平成24年度税制改正大綱 (平成23年12月10日発表)の概要 拡大して見る 平成24年度税制改正大綱 (平成23年12月10日発表)の概要 拡大して見る

4.実務上の対応

小幅な改正に留まった平成24年度税制改正ですが、エコにつながる再生可能エネルギーへの投資、IT投資等に対する減税項目の拡充・延長には配慮されています。また、法人税等の実効税率の低下により税負担は軽減します。キャッシュフローの改善を図る上でも、これらの減税項目の積極的な活用と法人税等の実効税率の引き下げを意識した事業計画を立てることが重要です。
具体的な対応については貴社の顧問税理士等の専門家とご相談ください。

◆この文章は平成23年12月28日現在の状況に基づいて作成しています。
また、税制改正の内容は国会で承認されて初めて確定されますので、ご留意ください。

【東京 朝日税理士法人】
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