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経営者のための税務・会計解説

税務・会計アラカルト ~知っておきたいニュースを解説

2012.6.5今、注目の太陽光発電設備

この文章は、東京 朝日税理士法人によるものです。

1.再生可能エネルギー導入の3点セット

東日本大震災をきっかけとする大規模災害により原子力発電所が操業停止に追い込まれました。みなさまにとって、昨年の夏、計画停電が実施されたことはまだ記憶に新しいのではないでしょうか。電力供給不足による企業活動の停滞は、日本経済を圧迫しました。
震災から約14カ月たった今年の5月5日、泊原発が定期点検に入り、わが国の原子力発電所はすべて停止し、電力供給不足の懸念が、より深刻なものになっています。
こうした中、太陽光や風力など再生可能エネルギーが注目を浴びています。再生可能エネルギーがわが国の発電量に占める割合は、現在1%程度しかありません。環境にやさしい反面、火力発電と比べ、コストが高いのが普及の妨げとなってきました。しかし、中長期的な視点から、電源の多様化は必須です。そこで、再生可能エネルギーでつくった電気を電力会社が固定価格で買い取る制度が7月から始まります。再生可能エネルギーによる発電設備の(1) 導入後の買取制度、(2)税の優遇策、(3) 導入時の補助金の3点セットにより、再生可能エネルギーの普及に向けた政策が出揃った感があります。
現在、電力確保の自衛策として太陽光発電設備の導入を検討している企業もあるでしょう。また、固定買取制度を背景として再生可能エネルギー事業そのものをビジネスチャンスとしてとらえている企業もあるでしょう。
今回は、再生可能エネルギーの中でも太陽光に焦点を絞り、太陽光発電設備について取り上げます。

※本情報は平成24年5月19日現在のものです。
停止・変更される可能性がありますので、最新情報につきましては、経済産業省ほか当該窓口にご確認ください。

2.電力の買い取り

最近、電力会社の電気代の値上げが話題となっています。電力の供給不足の懸念に加え、値上げが実施されれば、全般的な費用・原価の見直しだけでなく、製造拠点の移転も含めた検討が必要となります。
太陽光発電設備の設置は、電力の自給を意味し、さらに自家消費してもなお余った、いわゆる余剰電力がある場合には法律(注1)で定める条件により電力会社が買い取ってくれるため、そこで得た収入を事業資金として充てることができます。電力会社の買取価格は平成24年4月から6月分については平成23年度と同じ買取価格となります。
平成24年7月以降については、7月1日から実施される「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」による価格となり、現在、いくらで買い取るか等細部を検討中です。
太陽光発電は火力発電などに比べてコストが高いと言われているため、この買取価格と買取期間が投資するか否かの判断材料にもなります。

(注1)「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」等

設置した太陽光パネルの出力

(注)自家発電設備等併設(いわゆる「ダブル発電」)の場合はかっこ内の買取価格が適用されます。
(注)非住宅用等40円/kWhは、平成23年度に新たに導入されたこと及び国から新エネルギー等導入加速化支援対策費補助金を受給していないことが国の設備認定(RPS認定)により確認された場合に限ります。

平成23年度に新たに導入された方で、住宅用(10kWh以上)及び非住宅用の場合は買取価格が40円/kWh(ダブル発電の場合は32円/kWh)となっておりますが、一定の場合には24円kWh(ダブル発電の場合は20円/kWh)での買取になります。

「経済産業省HPより抜粋」

3.太陽光発電設備を取得した場合の税制について

次に、太陽光発電設備を設置した場合の税制はどのようになっているのでしょうか?
税務上、太陽光発電設備は減価償却資産となり、原則として耐用年数17年で償却し費用計上します。しかし、設置を促進する目的から平成23年度の税制改正で、環境関連投資促進税制、いわゆるグリーン投資減税が創設されました。この改正により、青色申告法人等が平成23年6月30日から平成26年3月31日までの間に太陽光発電設備等を取得等し、1年以内に国内の事業に使用した場合には、その事業年度に通常の減価償却とは別に取得価額の30%相当額を特別償却として費用計上できるようになりました。中小企業者等(注2)については特別償却に代えて税額控除(注3)も選択可能です。
政府はさらに環境に配慮した投資を促進するために、平成24年度にこの制度を拡充する改正に踏みきりました。改正内容は、平成24年7月1日から平成25年3月31日までの間に出力10kw以上である太陽光発電設備等で、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の認定設備で一定の規模以上のもの」を取得等した場合には、その事業年度に即時償却(全額費用計上)できるように制度拡充したものです。この即時償却により、投資回収が一段と早まり、利益が出ている企業にとっては有効な手段となりました。

特別償却額一覧表

(注2)中小企業者等は以下となります。
中小企業者等の一覧表

(注3)税額控除は取得価額の7%相当額。ただし、法人税額の20%相当額が限度となります。

4.設備取得等の支援

太陽光発電設備を設置するには、多額の資金が必要となります。この負担が太陽光発電の普及を妨げないように、国や地方自治体は補助金による支援制度を設け、太陽光発電設備の導入をしやすくしています。

補助金による支援制度

太陽光発電設備を設置した場合に費用負担を軽減するための補助金等を受けることができます。

(一例)
一例の表

また、設置した場合には都道府県や地区町村からも補助金が出るところもあります。事前に各自治体にご確認ください。

調達手法

太陽光発電設備の導入には、企業の事業計画に応じて調達手法を考える必要があります。自己資金、金融機関等からの借り入れ、リース、割賦等の方法のいずれが最適かを検討し、それに合わせて、国や地方自治体が提供する補助金制度の活用を組み合わせることになります。

5.まとめ

既に太陽光発電設備を設置している企業もありますが、太陽光発電設備の(1) 導入後の買取制度、(2)税の優遇策、(3) 導入時の補助金により、再生可能エネルギーの普及に弾みがつきそうです。太陽光等の再生エネルギーの普及による経済効果は大きいとも言われており、日本経済の活性化にもつながることが期待されています。
また、視点を変えると黒字会社にとって太陽光発電への設備投資は有効な手段として捉えることができます。ただし、太陽光発電設備の導入には資金が必要となるため、買取制度や優遇税制等を考慮し、自己資金、金融機関からの借り入れ、リース、割賦等の方法により資金繰りを検討する必要があります。
具体的な対応については太陽光発電システムの販売業者や貴社の顧問税理士等の専門家にご相談ください。

【東京 朝日税理士法人】
税務、会計、コンサルティング、会社設立支援、不動産など、総合サービスを展開。
法人から個人まで、幅広い顧客層への対応を行っている。
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