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経営者のための税務・会計解説

税務・会計アラカルト ~知っておきたいニュースを解説

2013.5.14アベノミクスで変わる?交際費の課税

この文章は、東京 朝日税理士法人によるものです。

1.交際費とは

「交際費は損金にならない」と耳にされたことはありませんか?
原則として交際費は税務上の費用である損金にはなりません。しかし、顧客との飲食やゴルフ、お中元・お歳暮、香典・ご祝儀などは営業活動上欠かせないものです。そこで法人税法では交際費を全額損金に認めないわけではなく、外部関係者との1人当たり5,000円以下の飲食については法人税上の交際費には該当せず全額損金とすることができます。また資本金が1億円以下の中小法人には一定額まで損金とする特例が設けられています。
ちなみに近年の不景気により交際費は減少し続け、国税庁統計によると平成18年度には3.6兆円あった企業の交際費が平成23年度には2.8兆円になるまで減少しています。そこで、平成25年度税制改正ではさらに交際費を利用しやすくする減税措置が設けられ、景気刺激策としての効果も期待されています。
今回は、この平成25年度税制改正の内容を確認しつつ、交際費の法人税上の取り扱いについて確認します。

2.交際費の考え方

法人税法では交際費を「法人がその得意先、仕入先その他の事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と定めていますが交際費の判断にあたって迷うのが寄付や値引き、リベート、広告宣伝費や福利厚生費、給与等との違いです。税務調査でも、交際費以外の科目に税務上交際費に該当するものがないかどうかよくチェックされますので、ご注意ください。

(図表1)交際費等の事例
事   例 回   答
得意先等が行う創業記念、祝賀会等のために支出する費用 交際費
専ら従業員の慰安のために行われる旅行、飲食会等のために通常要する費用 従業員を対象とする場合は福利厚生費
社内での役員会議における飲食費 会議に通常要する費用であれば交際費ではない
社内の一部の特定のもの(ex.役員のみ)だけの飲食等に要した費用 会社業務の遂行上必要→交際費
参加者の個人的な会合→給与(賞与)
政治パーティーへの参加費用 支出目的により交際費または寄付金
得意先等に対する見本品、試食品の供与に通常要する費用 宣伝的効果を意図し、供与に通常要する費用であれば広告宣伝費
出張先における会議費用 実態により会議費または交際費
得意先との商談や説明会等での飲食費用 通常供与される飲食の範囲内であれば交際費でない
来訪者に対する茶菓、食事に要する費用 通常供与される飲食の範囲内であれば交際費でない

【作成:朝日税理士法人】

3.平成25年度税制改正(中小法人の特例)

資本金が1億円を超えている法人は交際費の全額が税務上の経費である損金の額に算入されません。
しかし、資本金1億円以下の中小法人はその営業活動を支援すべく、年間600万円以下の交際費は90%まで損金とする特例がありました。この特例が平成25年度税制改正により拡充され、年間800万円までは通常の経費と同様に損金に算入することができるようになりました※1。例えば、今まで年間800万円の交際費を利用した場合、260万円(800万円-600万円×90%)は税務上経費として認められなかったものが、今後は全額認められます。日本企業の多数を占める中小法人が交際費を有効に使えるようにし、景気回復につなげようとする政府の意図がうかがえます。

(※1)この改正は平成25年4月 1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度から、期末における資本金が1億円以下の中小法人に適用されます。

〔出典〕経済産業省

4.5,000円基準

1人当たり5,000円以下の飲食費については、法人税法上の交際費には該当しないので一定の要件のもと全額損金となります。この制度は資本金の1億円以下の中小法人だけでなく、資本金が1億円を超える法人も対象です。ただし、この制度を受けるには下記の書類を保存する必要があります。

  • 飲食の年月日
  • 参加した得意先等の氏名または名称及びその関係
  • その飲食などに参加した者の数
  • 金額、飲食店の名称及び所在地
  • その他参考となるべき事項

この書類の書式は定められていませんので、独自に作成することになります。簡単に管理したい場合は、領収書に23を記載するだけでも結構です。

5.実務上の対応

アベノミクスによる景気回復が期待される中、日々の営業活動の中で交際費が増加していくこともあるでしょう。平成25年度税制改正により交際費の税務上の取り扱いも緩和され、飲食などの接待を後押しする流れとなっています。ただし、交際費は現金支出を伴います。税務上損金になる部分があるとはいえ、支払った以上に税負担が軽減されるわけではありません。いたずらに飲食・贈答などの接待等をおこなうのではなく、その目的や効果を明確にして接待等をおこなうことが重要です。
具体的な対応については貴社の顧問税理士等の専門家とご相談ください。

この文章は平成25年4月1日現在の状況に基づいて作成しています。

【東京 朝日税理士法人】
税務、会計、コンサルティング、会社設立支援、不動産など、総合サービスを展開。
法人から個人まで、幅広い顧客層への対応を行っている。
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