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経営者のための税務・会計解説

税務・会計アラカルト ~知っておきたいニュースを解説

2014.1.21企業を優遇した平成26年度税制改正
-復興特別法人税廃止・設備投資促進・交際費課税の減税-

この文章は、東京 朝日税理士法人によるものです。

※この文章は平成25年12月24日現在の状況に基づいて作成しています。また、税制改正の内容は国会で承認されて初めて確定されるものであり、内容が修正される場面もありますのでご留意ください。

1.民間投資の促進を重視し、2回に分けて発表

平成26年度の税制改正は、秋と年末の2回にわけて大綱が発表されました。
デフレ脱却と日本経済再生のために、安倍政権は平成25年6月14日に民間投資を喚起する成長戦略を閣議決定しました。民間投資を喚起するためには、それを促す租税政策が必要です。企業の投資行動を加速させることを目的とした内容に絞り、それをいち早く伝え、実現させるために前倒しして平成25年10月1日に発表された内容が「民間投資活性化等のための税制改正大綱」(秋の大綱)です。
そのほかの部分は、平成25年12月12日に「平成26年度税制改正大綱」(年末の大綱)として発表され、平成26年度税制改正の全体が公表されました。

2.平成26年度税制改正の概要

平成26年度税制改正の内容をひと言でいうと、企業優遇です。復興特別法人税の1年前倒し廃止や、設備投資に係る促進税制の創設、すでに施行されている優遇税制の拡充や延長などで企業を活性化し、成長戦略を描いています。
また、平成26年4月1日からの消費税率の引き上げを前に、消費の拡大による経済の活性化を図る観点から、資本金1億円超の大企業でも使える制度として、交際費(飲食費に限る)のうち50%を税務上の経費として認める措置を創設しました。50%の規定に交際費の支出額の上限はありません。

【平成26年度税制改正における、企業優遇租税政策】
目的 内容
設備投資促進 (1)生産性向上設備投資促進税制を創設。中小企業向けには(2)中小企業投資促進税制を拡充・延長。(1)と(2)のいずれも特別償却(即時償却等)または税額控除から選択。
法人税減税 平成24年度から平成26年度まで3年間課税される予定であった復興特別法人税を1年前倒しで廃止。それに伴い、平成26年度の法人の実効税率が38.01%から35.64%に低下。
(その後の引き下げを含む法人実効税率のあり方については、引き続き検討を進めることになった。)
企業の交際費について、飲食費に限り、支出額の50%が税務上の費用である損金として認められる。ただし、社内交際費は×。中小企業は、現行の800万円までの定額控除も選択可。

【注意】
大綱は法律案として国会に提出されそこで承認されて初めて確定されます。
大綱の内容が修正される場合もありますので、ご留意ください。

【作成:朝日税理士法人】

3.生産性向上設備投資促進税制の創設

税務上の面から企業を設備投資に向かわせる誘因のひとつが、即時償却です。即時償却とは、一定の要件のもとに、投資額を初年度に全額損金算入できるというもので、黒字企業にとっては魅力です。
生産性向上設備投資促進税制では、即時償却もしくは法人税における5%(建物・構築物については3%)の税額控除のいずれかを選択することができます。(生産性向上設備投資促進税制の税額控除等は平成26年4月1日以後の事業年度から適用)。
なお、生産性向上設備投資促進税制と中小企業投資促進税制の両制度を適用できる場合には、税額控除については中小企業投資促進税制が常に有利になります。

生産性向上設備投資促進税制の概要

生産性向上設備投資促進税制の概要
【作成:朝日税理士法人】

4.補助金制度の利用

即時償却を採るか、または税額控除を採るかはその時の業況を鑑みた上での判断になり、黒字企業なら有効といえます。しかし、法人税の負担がない赤字企業では、これらの施策が設備投資への誘因になるとはいえません。赤字企業には減税よりも、設備投資に係る補助金の方が魅力的です。
平成25年度中に実施された企業向け支援事業の一例として次のようなものがありました。企業が新製品の研究開発を行うに際し、機械・材料費・人件費等が仮に総額1,200万円だとすると、3分の2に相当する800万円の補助金の公募に申し込むことができ、審査に通れば補助金を受け取ることができるというものです。

平成24年度補正「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」の一例
事業名 ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援事業
ものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作開発や設備投資等に対する助成事業
補助対象者 組合及び中小企業者等
対象経費 原材料費 機械装置費 直接人件費 技術導入費 委託費 外注加工費 等
補助上限額 1,000万円(上記対象経費の2/3以内)

【作成:朝日税理士法人】

年末の大綱の発表と同日に総額5.5兆円の補正予算案が閣議決定されました。そこでは中小企業の革新的な事業への支援等として1,582億円の予算が計上されています。
この予算案が承認されると、平成26年度中も、企業向けの設備投資に係る補助金を含むさまざまな支援事業が実施されていくことが予想されます。詳細は中小企業庁などのウェブサイトをご覧になり、ぜひご活用ください。

5.さいごに

以上の平成26年度税制改正に基づき、黒字企業は設備投資に係る減税をはじめとする優遇制度の適用をぜひ検討してください。
また中小企業に限定された優遇制度の導入も検討されていますので中小企業は特に、経済産業省などの施策にこまめに目を通すようにし、積極的にご活用ください。

具体的な対応については貴社の顧問税理士等の専門家とご相談ください。

【東京 朝日税理士法人】
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