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経営者のための税務・会計解説

税務・会計アラカルト ~知っておきたいニュースを解説

2010.8.24100%グループ法人間の売買
譲渡益も譲渡損も繰り延べられることに

この文章は、東京 朝日税理士法人によるものです。

1.グループ法人税制の創設

2010年度の法人税最大の改正として、「グループ法人税制」の創設が注目されています。大企業だけでなく、中小企業にも強制適用されるのが特徴です。グループ内の譲渡、寄附、自己株式の売買などさまざまな取り引きに影響が及びます。なかでも特筆すべきは、譲渡取引。改正後は、100%グループ内の内国法人を経済的に一体として考え、グループ法人間の資産の移転は、その譲渡損益の課税が繰り延べられるようになります。

2.100%グループ内の法人間取引

グループ法人税制は、100%グループの内国法人を対象とした制度です。100%グループとは、いわゆる親子関係・兄弟関係の法人のほか、個人やその親族が支配している企業群が対象となります。

【100%グループ例】

グループ法人税制が適用されると、100%グループの内国法人間で、一定の譲渡を行ったことにより生ずる譲渡損益に対する課税が繰り延べられます。つまり、含み損益のある土地や株式を100%グループ内で譲渡しても、税務上は売却損益が譲渡時に計上されなくなります。

【改正前】平成22年9月30日までの取り引きと【改正後】平成22年10月1日以降の取り引き

ただし、その資産を取得した法人がその資産を譲渡したり、減価償却を行うなど一定の場合には、繰り延べられていた譲渡損益が実現します。

【改正後】平成22年10月1日以降の取り引き

3.対象資産

このグループ法人税制の譲渡損益の繰延べの対象となる資産は、譲渡直前の帳簿価額が1,000万円以上の固定資産・土地等・有価証券(売買目的有価証券を除く)・金銭債権・繰延資産です。

グループ法人税制の譲渡損益の繰延べの対象となる資産

4.適用時期と含み損益

グループ法人税制の譲渡損益の課税の繰延べは、2010年10月1日以降の取り引きから対象となります。2010年9月末までは、100%グループ内での譲渡取引でも譲渡損益が計上されます。含み損を抱える資産の処分を検討している法人は、経営戦略や財務状態を考慮して、9月末までの実施を検討してみましょう。一方、含み益を抱える資産の処分を検討している法人は、譲渡益に対する課税が繰り延べられる2010年10月1日以降の実施を検討してみましょう。

5.実務上の対応

グループ法人税制の創設により、100%グループ内における資産の移転時の法人税の負担がなくなるため、設備の集約などが実行しやすくなり、グループ内での適切な資産配置が可能となります。その一方で、含み損のある資産をグループ内で売却しても、税務上損失が計上されなくなります。今後、グループ内の資産の含み損益や繰越欠損金、グループ全体の事業計画を考慮して、グループ内の資産を有効活用することを検討してみましょう。

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