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経営者のための税務・会計解説

税務・会計アラカルト ~知っておきたいニュースを解説

2010.10.19設備投資支援税制 税メリットで中小企業の投資を促進!

この文章は、東京 朝日税理士法人によるものです。

1.中小企業者等が設備投資を行った場合の税制上の優遇措置

企業は競争に打ち勝つために設備投資を行います。その設備投資を政策的に支援するため、中小企業者等の場合、一定の要件のもと優遇措置として「中小企業投資促進税制」と「中小企業等基盤強化税制」が選択適用できます。両方の適用要件を満たすケースもあれば、片方の適用要件しか満たさないケースもあり複雑です。両制度をまず比較検討してみましょう。

中小企業者等が設備投資を行った場合の税制上の優遇措置

2.中小企業者等の範囲

優遇税制の対象となる中小企業者等は、つぎのような法人・個人・組合等が該当します。

中小企業者等の範囲

以下、法人を前提に説明いたします。

3.優遇措置の内容 特別償却と税額控除

優遇税制によって、対象資産の減価償却費を増額したり(特別償却)、法人税の控除を受けたり(税額控除)することができます。その結果、その対象資産を事業に使用した年度の納税額を減らすことができます。

適用年度
対象となる資産を取得または製作し、かつ、使用した年度において適用ができます。
よって、取得または製作するだけでは適用できません。
特別償却
通常の減価償却費に加えて、対象資産の取得価額(船舶の場合には取得価額の75%)の30%の金額を特別に費用計上できる制度です。追加計上分だけ、費用が大きくなるため、利益が減少し、法人税等の納税額を少なくすることができます。また、その年度に特別償却として費用計上しなかった分については、1年間のみ翌期に繰り越すことができます。
【(例)特例対象となる精密加工機械を5,000万円で購入(減価償却の償却率0.1とする)】
税額控除
取得価額(船舶については取得価額の75%)の7%の金額をその事業年度の法人税額から直接、控除できる制度です。その結果、その金額分の法人税等の納税額を少なくすることができます。ただし、税額控除には限度額があります。その年度の法人税額の20%までです。控除しきれなかった金額については、1年間のみ翌期に繰り越すことができます。
【(例)法人が税額控除の対象となる精密加工機械を5,000万円で購入】

4.税額控除が選択適用できるのは特定中小企業者等だけ

税額控除が選択できるのは、「中小企業者等」のうち「特定中小企業者等」に該当する場合のみです。つまり、特定中小企業者等に該当しない中小企業者等は、特別償却のみ利用可能です。

(出典)中小企業庁「平成22年度版中小企業税制39問39答」を元に一部改訂

5.ファイナンス・リース取引の対象資産は税額控除が可能

今回ご紹介している優遇税制において、リース取引の対象とされる資産については、特別償却の適用はできないとされていますが、特定中小企業者等については税額控除の適用は可能です。税額控除の規定が適用されるリース取引は、所有権移転外ファイナンス・リース取引です。

6.実務上の対応

「特別償却制度」と「税額控除制度」は重複適用できず、どちらかの選択適用となります。特別償却の方は初年度の減価償却額が大きくなるメリットがあり、税額控除の方は税から直接控除できるメリットがあります。どちらが有利なのかはケースによって異なります。貴社の財務状況や将来的な税制改革の方向性を考慮しながら、慎重に選択することをお勧めします。また、購入の際には一時的に資金が必要となるため、リースにするのか資金繰りとも検討しましょう。最後に、これらの制度を適用した場合には、30万円未満の資産について全額費用計上できる「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の特例」など、ほかの制度による特別償却や税額控除を重複適用できませんので、ご留意ください。

会計・税務処理については貴社の顧問税理士等の専門家とご相談ください。

【東京 朝日税理士法人】
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