第57回新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための経済支援について

※この文章は、税理士法人名南経営によるものです。

※この文章は、2020年5月8日現在の情報に基づいて作成しています。具体的な対応については、貴社の顧問税理士などの専門家とご相談ください。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、多くの企業に大きな影響を与えており、それに対応するため政府・自治体・各省庁などからはさまざまな経済支援策が公表、施行されています。
今回のコラムでは、これらの施策の中から中小企業が活用可能な支援策を中心に解説いたします。
今後もさまざまな施策が行われることや、期限・要件などの変更が予想されることから、政府・自治体・各省庁などの公表内容について、常に注視しておく必要があります。

1.融資関係支援

(1)信用保証協会の支援

新型コロナウイルス感染症により影響を受けている中小企業者への資金繰り支援策として、一般保証の枠(最大2.8億円)とは別に、中小企業信用保険法に基づいたセーフティネット保証(最大2.8億円)と危機関連保証(最大2.8億円)の活用が可能です。
対象となる中小企業者は図表1の通りです。

<図表1> 対象となる中小企業者

資本金または常時使用する従業員数のいずれか一方が次に該当する場合対象となります(個人事業主の場合は、常時使用する従業員数が該当すれば対象となります)。

業種 資本金 従業員数
製造業など(建設業、運送業、不動産業を含む) 3億円以下 300人以下
ゴム製品製造業
(自転車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業
ならびに工業用ベルト製造業を除く)
3億円以下 900人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業・飲食業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
医業を主たる事業とする法人 300人以下
  • *組合は、当該組合が保証対象事業を営むもの、または、その構成員の3分の2以上が保証対象事業を営んでいれば対象となります。

①セーフティネット保証4号・5号

セーフティネット保証とは、経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証とは別枠で保証の対象とする制度です。新型コロナウイルス感染症に係る支援策としては、4号または5号の適用が可能となっており、その概要は図表2の通りです。

<図表2> セーフティネット保証4号・5号の概要
  セーフティネット保証4号 セーフティネット保証5号
制度概要 突発的災害(自然災害など)の発生に起因して売上高などが減少している中小企業者を支援するための制度 (全国的に)業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための制度
対象となる
中小企業者
の要件
【原則】
次の①②のいずれも満たすこと
  • ① 指定地域において1年間以上継続して事業を行っていること。
  • ② 災害の発生により事業に影響を受けた後、原則として最近1カ月間の売上高などが前年同月に比べて20%以上減少しており、かつ、その後2カ月間を含む3カ月間の売上高などが前年同期に比べて20%以上減少することが見込まれること。

【新型コロナウイルス感染症の影響を受けている場合の緩和】
  • ③ ①について、業歴3カ月以上1年1カ月未満の事業者も対象
  • ④ ②について、前年以降の店舗増加などによって、単純な売上高などの前年比較では認定が困難な事業者
【原則】
次の①②のいずれも満たすこと
  • ① 指定業種(*1)に属する事業を行っていること。
  • ② 次の(ア)または(イ)を満たすこと。
    • (ア)最近3カ月間の売上高などが前年同期比で5%以上減少していること(*2)。
    • (イ)製品原価などのうち20%以上を占める原油などの仕入価格が20%以上上昇しているにもかかわらずらず、製品などの価格に転嫁できていないこと。

【新型コロナウイルス感染症の影響を受けている場合の緩和】
  • ③ ②について、前年以降の店舗増加などによって、単純な売上高などの前年比較では認定が困難な事業者
市区町村長
の認定
売上高などの減少について、市区町村長の認定が必要。
対象資金 経営安定資金 経営安定資金
保証割合 100%保証 80%保証
保証限度額 一般保証とは別枠で2.8億円(4号と5号は併用可能だが同じ枠となる)
手続き 市町村の商工担当課などへ認定申請書を提出し認定を受けた後、金融機関・信用保証協会にて融資の申し込みを行う(融資の際、審査あり)。
  • (*1)5号の指定業種については令和2年5月1日から令和3年1月31日まで全業種が対象(一部風俗営業を除く)
  • (*2)時限的な運用緩和として、令和2年2月以降直近3カ月間の売上高が算出可能になるまでは、直近の売上高などの減少と売上高見込みを含む3カ月間の売上高などの減少でも可能

②危機関連保証

危機関連保証とは、一般の保証枠、セーフティネットの保証枠とはさらに別枠の保証制度です。新型コロナウイルス感染症は、危機関連保証の認定案件とされました(指定期間:令和2年2月1日~令和3年1月31日)。

<図表3> 危機関連保証の概要
対象となる
中小企業者の要件
【原則】
次の①②のいずれも満たすこと
  • ① 金融取引に支障を来しており、金融取引の正常化を図るために資金調達を必要としていること。
  • ② 認定案件に起因して、原則として最近1カ月間の売上高などが前年同月に比べて15%以上減少しており、かつ、その後2カ月間を含む3カ月間の売上高などが前年同期に比べて15%以上減少することが見込まれること。

【新型コロナウイルス感染症の影響を受けている場合の緩和】
  • ③ ②について、前年以降の店舗増加などによって、単純な売上高などの前年比較では認定が困難な事業者
市区町村長の認定 売上高などの減少について、市区町村長の認定が必要。
対象資金 経営安定資金
保証割合 100%保証
保証限度額 一般保証、セーフティネット保証とは別枠で2.8億円
手続き 市町村の商工担当課などへ認定申請書を提出し認定を受けた後、金融機関・信用保証協会にて融資の申し込みを行う(融資の際、審査あり)。

③信用保証付き融資における保証料・利子減免

信用保証付き融資を受ける際、保証料補助と利子補給を受けることが可能となる制度です。都道府県による制度融資を通じて、民間金融機関においても実質無利子・無担保・据置期間最大5年・保証料減免の融資を受けることが可能です。金融機関を一元的窓口としてワンストップで各種手続きを行うことで、迅速な融資実行が推進されています。
セーフティネット保証4号・5号、危機関連保証のいずれかの認定を受け、図表4の対象要件を満たせば保証料・利子の減免が適用できます。売上高減少要件は、セーフティネット保証4号・5号、危機関連保証の適用要件と連動しています。

<図表4> 対象要件と減免措置
  売上高5%以上減少 売上高15%以上減少
個人事業主(事業性のあるフリーランス含む、小規模のみ) 保証料ゼロ・金利ゼロ
小・中規模事業者(上記除く) 保証料1/2 保証料ゼロ・金利ゼロ
<図表5> その他の要件
融資上限額 3,000万円
補助期間 保証料は全融資期間、利子補給は当初3年間
※条件変更に伴い生じる追加保証料は事業者の負担
融資期間 10年以内(うち据置期間5年以内)
担保 無担保
保証人 代表者は一定要件(①法人・個人分離、②資産超過)を満たせば不要(代表者以外の連帯保証人は原則不要)

(2)その他の支援策

上記以外の融資関係支援の主なものとしては、図表6の通りです。
経済産業省のホームページでは、利用可能な資金繰り支援内容が掲載※1されており、更新もされています。自社・自身で利用可能か確認されることをお勧めします。

<図表6> 主な融資関係支援のまとめ

分類 概要
政府系金融
機関貸付
  • ○新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)
  • ○新型コロナウイルス感染症特別貸付(中小企業向け融資)(商工中金)
など
借り換え、
リスケ支援
  • ○新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール(中小企業庁)
など
その他施策
  • ○小規模企業共済制度にかかる特例措置(中小企業基盤整備機構)
  • ○福祉貸付事業・医療貸付事業(福祉医療機構)
など
保険会社 ○契約者貸付の利息免除 など
  • ※1:経済産業省「新型コロナウイルス感染症関連」資金繰り支援一覧
    https://www.meti.go.jp/covid-19/#01

2.給付金・助成金

給付金や助成金については非常に多くあるため、主なものについてその概要を紹介します。

(1)雇用調整助成金

雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が休業中の従業員に対して支払う休業手当を助成するものです。中小企業※2の場合は休業手当の3分の2、大企業の場合は2分の1の助成です。この雇用調整助成金について、令和2年4月1日から6月30日までの新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業などについては、特例として、中小企業は休業手当の5分の4、大企業は3分の2の助成となり、加えて解雇・雇止めなどを行わなかった場合、中小企業は10分の9、大企業は4分の3の助成となります。
さらに、令和2年5月1日に関係省令が公布※3され、中小企業においてはこの特例が拡充※4されました。令和2年4月8日以降の休業などに遡って次の①②が適用されます。

  1. ① 都道府県知事の要請に従って休業している中小企業が、賃金の100%の休業手当を支払っていたり、助成金の日額上限額(現行8,330円)以上の休業手当を支払っていたり(支払率が60%以上の場合に限る)する場合には100%の助成
  2. ② 解雇・雇止めなどを行わなかった中小企業は、休業手当のうち賃金の60%までは10分の9、60%を超える部分については100%の助成

このほか、手続き面についても緩和措置が取られています。また、助成金の日額上限額(現行8,330円)についても引き上げが検討されているところです。

  • ※2:中小企業とは以下の要件に該当する企業をいいます。
    ・小売業(飲食店を含む): 資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下
    ・サービス業 : 資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下
    ・卸売業 : 資本金1億円以下 または 従業員100人以下
    ・その他の業種 : 資本金3億円以下 または 従業員300人以下
  • ※3:厚生労働省「雇用調整助成金の特例措置を実施します」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11128.html
  • ※4:厚生労働省「中小企業の皆様への雇用調整助成金の特例を拡充します」
    https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000627089.pdf

(2)持続化給付金

持続化給付金は、令和元年以前から事業収入がある中小法人等※5や個人事業者が活用できる制度です。
対象となる事業者は、1カ月間の売上高が前年同月比で50%以上減少した月が存在する事業者で、今後も事業継続を予定している事業者です。
給付額は中小法人等の場合200万円、個人事業者の場合100万円となっています(ただし、前年1年間の売上高からの減少分を上限とします)。

  • ※5:中小法人等とは、令和2年4月1日時点において、次の①または②のうちいずれか一つの要件を満たす法人をいいます。
    ただし、組合もしくはその連合会または一般社団法人については、その直接または間接の構成員たる事業者の3分の2以上が個人または次のいずれかを満たす法人をいいます。
    ①資本金の額または出資の総額が10億円未満であること
    ②資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下であること

(3)各自治体・業界団体からの新型コロナウイルス感染症対策協力金など

各自治体や業界団体において、緊急事態宣言の期間内の休業要請に応じた企業に対して休業協力金が設けられています。
各自治体からの協力金は、当初の緊急事態宣言の期限であった令和2年5月6日までの休業を対象としていたり、業種によって要件とされている休業期間が異なったりと自治体によってさまざまとなっています。各自治体の新型コロナウイルス感染症対策に関するホームページなどを確認してください。
また、業界団体からの休業協力金が設けられている業種もあります。自社の業界団体からの案内やホームページなどを確認して活用してください。

(4)その他の給付金・助成金など

上記のほか、IT導入補助金特別枠(C類型)※6や農業労働力確保緊急支援事業※7などさまざまな給付金・助成金などがあります。また、連日報道されている一人あたり10万円の特別定額給付金など、個人向けの給付金も存在します。その他、家賃補助の導入についても政府が検討しているようです。報道のみならず、各省庁のホームページやお住まいの自治体のホームページなどから情報を得て制度を活用してください。

  • ※6:サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局「IT導入補助金特別枠(C類型)」
    https://www.it-hojo.jp/tokubetsuwaku/
  • ※7:農林水産省「農業労働力確保緊急支援事業」
    https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/roudouryokukinkyukakuho/roudouryokukinkyukakuho.html

3.税制上の措置

令和2年4月27日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律」(臨時特例法)が、その後、4月30日に同法の政令とともに交付・施行されました。地方税法についても「地方税法等の一部を改正する法律」および同法の政令が同日に交付・施行されました。納税猶予制度や、欠損金の繰戻還付、固定資産税の特例措置など、企業の資金繰りにも大きく影響しますのでご確認ください。

(1)納税猶予制度

令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する国税・地方税について無担保、延滞税なしで1年間納税が猶予される制度です。個人・法人の別や規模は問いません。印紙税などの一部の税目を除きほぼすべての税目が対象となります。

<図表7> 納税猶予制度

要件 令和2年2月から納期限までの一定の期間(1カ月以上)において、前年同期と比べておおむね20%以上の減収があり、一時の納税が困難(向こう半年間の事業資金を考慮)と認められること。
手続きなど
  • ○令和2年6月30日または納期限(申告期限が延長された場合は延長後の期限)のいずれか遅い日までに申請が必要。
  • ○申請書のほか、収入や現預金の状況がわかる資料の提出が必要。ただし、提出が難しい場合は口頭による手続きも可能。

(2)欠損金の繰り戻しによる還付

法人の事業年度に生じた欠損については翌事業年度以降に繰り越すほか、直前の事業年度の所得に応じた法人税額の還付を受けることもできます。これまで資本金の額が1億円以下の中小企業者等※8が利用可能だったこの制度について、臨時特例法により、資本金の額が1億円超10億円以下の法人※9も利用可能となりました。令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する各事業年度で利用可能です。

  • ※8:中小企業者等とは次の法人をいいます。
    • ①普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるものまたは資本もしくは出資を有しないもので、各事業年度終了の時において次に掲げる法人に該当するものを除いたものです。
      • (ア)相互会社および外国相互会社
      • (イ)大法人(次に掲げる法人、以下同じ)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
        • (a)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
        • (b)相互会社および外国相互会社
        • (c)受託法人
      • (ウ)100%グループ内の複数の大法人に発行済株式または出資の全部を直接または間接に保有されている法人((イ)に掲げる法人を除く)
      • (エ)投資法人
      • (オ)特定目的会社
      • (カ)受託法人
    • ②公益法人等または協同組合等
    • ③法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされる次の法人
      認可地縁団体、管理組合法人、団地管理組合法人、法人である政党等、防災街区整備事業組合、特定非営利活動法人、マンション建替組合およびマンション敷地売却組合
    • ④人格のない社団等
  • ※9:次に掲げる法人を除いた法人がこの制度の適用が認められます。
    • ①大規模法人(次に掲げる法人、以下同じ)
      • (ア)資本金の額または出資金の額が10億円を超える法人
      • (イ)相互会社および外国相互会社
      • (ウ)受託法人
    • ②大規模法人との間にその大規模法人による完全支配関係がある普通法人
    • ③100%グループ内の複数の大規模法人に発行済株式または出資の全部を直接または間接に保有されている普通法人
    • ④投資法人
    • ⑤特定目的会社

(3)中小企業経営強化税制の対象設備の追加(テレワーク)

中小企業経営強化税制とは、認定を受けた経営力向上計画に基づき、中小企業者等※10が一定の設備を取得などした場合に、即時償却または7%(資本金3,000万円以下の法人は10%)の税額控除が選択適用できる制度です。従前の対象設備に加えて、テレワークのためのデジタル化設備が対象に加わりました。経営力向上計画に基づき、対象設備を取得するなどの要件については従前の制度と同様となっています。

<図表8> 中小企業経営強化税制の対象設備の追加

要件 遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかに該当する設備
対象設備 機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェア
  • ※10:中小企業者等とは次の法人・個人事業主をいいます。
    • ①資本金または出資金の額が1億円以下の法人
    • ②資本金または出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
    • ③常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業主
    • ④協同組合等
      ただし、次の法人は、資本金または出資金の額が1億円以下でも対象とはなりません。
      • (ア)同一の大規模法人(注)から2分の1以上の出資を受ける法人
      • (イ)2以上の大規模法人(注)から3分の2以上の出資を受ける法人
      • (ウ)前3事業年度の所得金額の平均額などが15億円を超える法人
      • (注)大規模法人とは、資本金または出資金の額が1億円超の法人、資本金または出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人または大法人(資本金または出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業等経営強化法に規定する認定事業再編投資組合を経由して間接的に保有している部分のみ)および中小企業投資育成株式会社を除きます。

(4)償却資産および事業用家屋に係る固定資産税および都市計画税の軽減

中小事業者等※11の、令和2年2月から10月までの任意の3カ月間の売上高が一定割合以上減少している場合に、令和3年度の固定資産税および都市計画税の課税標準を減額する制度です。売上高の減少割合や減額後の課税標準、必要な手続きについては図表9の通りです。

<図表9> 償却資産および事業用家屋に係る固定資産税および都市計画税の軽減措置

売上高減少割合 50%以上 30%以上50%未満
減額後の課税標準 ゼロ 本来の課税標準×1/2
手続きなど 令和3年1月31日までに認定経営革新等支援機関等の認定を受けて各市町村に申告する。
  • ※11:中小事業者等とは次の法人・個人事業主をいいます。
    • ①資本金または出資金の額が1億円以下の法人
    • ②資本金または出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
    • ③常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業主 ただし、次の法人は、資本金または出資金の額が1億円以下でも対象とはなりません。
      • (ア)同一の大規模法人(注)から2分の1以上の出資を受ける法人
      • (イ)2以上の大規模法人(注)から3分の2以上の出資を受ける法人
      • (ウ)前3事業年度の所得金額の平均額などが15億円を超える法人
      • (注)大規模法人とは、資本金または出資金の額が1億円超の法人、資本金または出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人または大法人(資本金または出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

(5)生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充・延長

平成30年度税制改正により、中小事業者等※11が令和3年3月31日までに認定先端設備等導入計画に基づき、一定の設備を新規取得した場合、新規取得設備に係る固定資産税の課税標準を、最初の3年間に限り、課税標準となるべき価格にゼロ以上2分の1以下の範囲内で各市町村の定める割合を乗じて得た額とする特例措置が設けられています。この制度について、拡充・延長措置が講じられ、対象資産として「構築物」と「事業用家屋」を追加した上で、期限も令和5年3月31日までに延長されました。
従前からのものも含め、対象となる設備や資産、要件については図表10の通りです。

<図表10> 生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充・延長措置

対象 取得価額 販売開始時期 要件
機械装置 単品160万円以上 10年以内 商品の生産もしくは販売または役務の提供に直接供するものであること 生産性が旧モデル比で年平均1%以上向上
測定工具
検査工具
単品30万円以上 5年以内
器具備品 単品30万円以上 6年以内
建物附属
設備
単品60万円以上 14年以内
構築物 単品120万円以上 14年以内
事業用家屋 単品120万円以上 取得価額の合計額が300万円以上の先端設備等を稼働させるために取得されたものであること

(6)その他の税制措置

上記以外にも、中止となったイベントについて払い戻しを受けないことで寄附金控除の対象となる制度や、経営に影響を受けた事業者に対して、公的金融機関や民間金融機関などが行う特別貸付けに係る契約書について、印紙税を非課税とする措置などが設けられています。
また、一人あたり10万円の特別定額給付金について、非課税とする制度も設けられています。一方で、持続化給付金などは非課税とされないこと※12に注意が必要です。
このほか、臨時特例法ではありませんが、申告期限の延長の特例制度は、国税・地方税の双方において、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を付記するなど簡易な手続きで申請できるよう配慮されています※13。地方税、特に事業税については自治体ごとに手続き面が異なっていますのでホームページなどで確認してください。
なお、税金以外にも、社会保険料についても支払猶予制度※14が設けられている点も押さえておいてください。

  • ※12:国税庁「新型コロナウイルス関連の税務上の取り扱いFAQ」5-問9
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/faq.pdf
  • ※13:国税庁「期限までに申告・納付が難しい方は簡易な手続で期限延長が可能です(法人・個人の全ての方が対象)」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-124_01.pdf
  • ※14:厚生労働省「社会保険料の猶予等について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10925.html
【税理士法人名南経営】

名南コンサルティングネットワークグループの一社として、幅広い顧客層にさまざまな経営コンサルティングなどを実践している。